「ボラバイトとは?仕事はきついの?評判は?」
「給料は手渡し?その場合は税金の課税対象なの?」
「2chやヤフー知恵袋ではネガティブな意見があるけど大丈夫なの?」
と、リアルな情報がないので疑問に思うことがけっこうあったりしませんか?
そんな方へ、香川県でレタス・ネギ農家で1ヵ月間のボラバイトを実体験した私がその実態をお伝えします。(※ちなみに、ボラバイトしたのは2014年頃の話になります)
先に私がボラバイトした所感を簡単に伝えるならば…
◎牧場・農業の「経験」重視の人におすすめ。(←短期1~2週間くらいがよい)
×稼ぎを気にする人は、きついし超低賃金労働だからやめとくべき。
と言えます。
もし、住み込みで稼げる仕事を探しているならリゾートバイトも検討した方がよさそうです。
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ボラバイトとは?人手不足問題に貢献するサービス?
ボラバイトとは、ボランティア(volunteer)とアルバイト(arbeit)を合体させたものだそうで、
稼ぐことが目的と言うよりはあくまでも「経験できる」ことをウリにしています。
- 給料よりも経験すること重視
- 農業、酪農、宿泊施設など地方で働く
- 北海道・沖縄などにも住み込みで働ける
- 住み込みスタイルが基本で、職場の人たちとも衣食住を共にする
農家や酪農家の人手不足問題に貢献しているという面から見ても、今後注目すべきサービスと言えるでしょう。
海外のボラバイトはなく国内の農業・牧場求人が多い
似たようなサービスでWWOOFというサービスがあります。
WWOOFは農作業の手伝いを欲する農家と住み込みで農業体験をしたい働き手の仲介をしています。
働き手は農家のお手伝いをする代わりに、食事と宿泊場所を無料提供してもらえるのが特徴。
WWOOFの発祥がイギリスでオーストラリア、ニュージーランドと海外に広がっています。
「住み込み農業」という点で似通っていますが、ボラバイトには現状海外求人はありません。
ボラバイトは給料出るけど手取り額は雀の涙レベル
ボラバイトの海外求人はありませんがWWOOFと違って、給料が出るのがボラバイトの特徴です。
ですが、給料に期待しないでください。特に農業求人の手取り額は低すぎますからね。
実際に私も香川県の農家でボラバイトをしましたが、
1ヵ月の給料は6万3800円でした。
1日8hフルタイムで働いて日給3200円ほど
時給にすると…400円でした。
稼ぎを目的としない実態は本当です。
ボラバイトは時給換算400円…でも労働基準法では「白」
時給換算400円って…
香川県の最低賃金は792円(2014年当時は702円)なので、
「最低賃金を下回り、労基法違反では?」と思われますが、
株式会社サンカネットワークが運営するボラバイトサイトの賃金について注意書きを見てみると↓
ボラバイターの得る対価について、最低賃金法に定められた最低賃金を最低基準としておりますが、その場合の対価はボラバイト先から提供される食事(食材)と宿泊先も含まれることになります。なお、ボラバイト情報に掲載されたボラバイト料は、対価としての食事と宿泊先の提供を含めないボラバイターの現実の受取金額と理解してください。
引用元:ボラバイト
最低賃金法を遵守された日給・時給設定であることがわかりました。
ボラバイト料・給料(手取り)は、宿泊費・食費込みだから低く感じる
給料の仕組みを詳しく見てみると、
という計算に基づき求人に提示されているようです。
確かに私の場合、食事(お米と野菜)と宿泊先を提供してもらいましたので、
時給換算して400円になったのは、既に本来の給料から宿泊費・食費を引かれてたということでした。
「お金よりも経験が大切」という、ボラバイトの趣旨をちゃんと理解してないと痛い目に見てしまいます。
ボラバイトの農業・牧場仕事はきついから短期1週間から始めるのがいいよ
私もボラバイトの趣旨は理解の上で参加しました…でも実際に行ってみると想像以上に厳しかったです。
農作業や酪農の仕事はけっこうな重労働なので、未経験者からするとかなりきついです。
私の場合は、朝8時から夕方17時までフルタイムで働きました。
レタスやネギの収穫作業がメインでしたが、1ヵ月間ずっと腰の疲労が抜けきらないほどつらかったです。
特にネギは、畑にしっかり根を張っているので腰を落として力を入れないと引き抜けません。
それを午前中に100本以上。
そして、抜いたネギがたまったら台車で車の荷台まで運びます。
朝露で畑が湿っていて泥がついているので数十本の束でもかなり重いです。
力仕事が想定されそうな農業や牧場は仕事は、未経験者には1ヵ月が限界です。
農家・酪農業を本気で目指す!くらいの覚悟がない限りは、短期1週間くらいで始めるべきだと感じました。
ボラバイトの実態は…「体験」ではなく「労働」に感じた
ボラバイトのコンセプトは農業・酪農「体験」を主張していたのですが、
実際に行ってみると「ただの労働」だと思いました。
違和感は駅から車で送迎いただいた時から感じたのですが、
農家さんと簡単な自己紹介をする以外は会話はなく、事務的に住み込みの寮を案内されただけ。
生活は「住処と米・野菜あげるから、あとは勝手にやっといて!」みたいな感じで、
仕事も「○○やっといて!」と指示を受けるだけ。
仕事中も仕事外もとくに接点はありませんでした。
私ももっと積極的に関りを持とうとすべきだったかもしれませんが、
「お客さん感覚で体験できる」みたいな感じだとイメージと違う可能性があります。
※お世話になる農家さんによっても対応も違ってくるでしょう。
ボラバイトの雇用形態はアルバイトだから「税金」も払うよ
ボラバイトは、ボランティアなのか?アルバイトなのか?
一見して曖昧ですが、正しくはアルバイト雇用です。
ボランティアという言葉は「自主的に」という意味合いで 「無償奉仕」という意味合いでの使用はしておりません。
ボラバイトは有償ボランティアではなくアルバイトに該当します。引用元:ボラバイト
なので、受け取った給料に対して所得税や住民税…
当然のですが課税対象になります。
私の場合は、給料が茶封筒に入れられ手渡しだったので勘違いするところですが、
基本的にはアルバイト雇用を結ぶため税金のことも考えねばいけません。
ボラバイトサイトは仲介会社ではないので雇用主とのトラブルは自己解決する必要がある
ボラバイトサイトを運営する会社は、留意事項に記載がある通りバイトと就業先のやり取りを仲介することは一切ありません。
ボラバイトのサイトの留意事項でも、
具体的な労働条件等については、ボラバイター希望者とボラバイト先との間で、直接、話し合って下さい。
引用元:ボラバイト
と明記しています。
つまり、労働条件などは自分自身で直接雇用主に確認する必要があります。
こういった住み込み仕事では事前に聞いていた情報と実際に行った後では仕事内容が違ったり、宿泊場所の設備に不備があったりするケースがあります。
雇用主とのトラブルになりかけた時は自己解決する必要がある点は気をつけてなくてはいけません。
ボラバイトのメリット
ちょっぴりネガティブな情報をお伝えしてきましたが、ボラバイトには良い点もあります。
農業、酪農のノウハウゲット
バイトとは言え作物を育てることが仕事なので、ノウハウをまるまる教わることができます。
実際に私がボラバイトした時も将来的に就農を考えている30代前半の方も働いてました。
また、農業学校に通っていてインターンシップとして働きにきている学生もいました。
将来的に農業や酪農を生業として田舎暮らしを考えている人にはぴったりです。
期間に応じて旅するように働ける
ボラバイトの求人を見ていると住み込みにも関わらず働く期間は最低1週間からOKなところもあります。
期間が柔軟に調整できるのはボラバイトが単純な仕事だからゆえ。
農作業は、力仕事ではあるものの単純作業が多いので未経験者でも取り組みやすい仕事です。
お金がちょこっと欲しいとなった時に働くことができるので日本1周をするような旅人は活用しがいがあります。
食と住みかに困らない
ボラバイトでは、基本的に食事と住む場所が提供されます。
農家はお米が余るようにあるので基本的に食べ物に困りません。
形がいびつで商品にならないような野菜もたくさんあるので朝に採れたての新鮮野菜をいただくこともできます。
ボラバイトのデメリット
力仕事できつい
農作業や酪農のボラバイトは体力的にけっこうきついのです。
特に酪農は朝が早く、お昼に長い休憩をはさんで夜に働いたりするので生活リズムを整える必要があります。
また、体重650~700キロある牛に押されたり、蹴られたり・・・けっこうしんどかったり、危なかったりすることもあるので甘い気持ちで行くと痛い目を見る可能性もあります。
事前情報と違うことがある
- 住む場所は無料提供だけどかなりボロかったり
- 仕事内容は17時でみな帰ると言っていたけど片付けとかで実際は18時だったり
- 女性のバイトもいると聞いていたけど男性だけだったり
実際に行ってみると事前情報にないことや違うことが多々おきます。
特に住む寮(生活環境)は選べないので、ある程度想定外のことがあることを覚悟して行った方がストレスを感じません。
貯金できない
ボラバイトは給料が低いがゆえにお金が全く貯まりません。
食事と家賃が無料の生活だったとしても必要出費はあります。
- 家賃(水道・光熱費):0円
- 食費:20000円
- 通信費:5000円
- 交際費:3000円
- 消耗品:3000円
合計:31000円
これに国民年金と社会保険の支払いをしたらほとんどお金は残りません!
私の農業ボラバイトの1ヵ月6万4000円ではギリギリの生活です。
ある程度お金も稼ぐことを考えるのであればリゾートバイトをした方が全然稼げます。
ボラバイトでのトラブルを防ぐために事前に確認したいこと
実際に行ってみて事前に聞いてたことと違った!
なんてことが起こり雇用主とトラブルにならないように私的に最低限確認すべきことをあげてみます。
- お給料について・・・雇用条件を明確にしたいのであれば労働条件通知書をもらいましょう。
- 就業期間について・・・いつからいつまで働くのか明確にしましょう。
- 仕事内容について・・・具体的にどんな作業をするのか?一日の就業時間は?
- 職場環境について・・・職場には何人働いていて、年齢や性別などどんな人と仕事するのか?
- 住む寮について・・・個室?相部屋?設備は?ネット環境など
- 提供いただけるものについて・・・食事は自炊?それとも作ってもらえるのか?
- 事前に準備するものについて・・・農作業や酪農ではレインコートや長靴、手袋は必須です。何を自分で準備すればいいのか?
交通費の支給は求人によって条件アリ
交通費は求人によって支給するところ支給しないところがあるだけでなく、支給金額も変わってきます。
- 往復で上限3万円まで支給
- 2ヶ月以上就業した人を対象に全額支給
ボラバイトに必要な持ち物について
住み込みになるので、宿泊寮の設備を聞いて持ち物・荷物は準備すべきです。
私が持っていったものを簡単に箇条書きしておきますね。
- 貴重品
- 衣類(汚れたり汗かいたりするので多めに)
- 日用品(現地で買い足せるものは現地調達すべき)
- 暇つぶし対策(寮にテレビやWi-Fiあるか確認しとこう)
農作業に必要なもの
- 長靴
- 農作業用の手袋
- 丈夫なレインコート
ワークマンや街のホームセンターにいくと農作業用の道具は一式揃います。
旅館でボラバイトするならリゾートバイトも一緒に検討すべき
ボラバイトには旅館の求人もありますが、旅館であればボラバイトから応募するよりもリゾートバイトで応募した方が安心かつしっかり稼ぐことができます。
リゾートバイトの派遣会社に登録すれば自分に合った求人紹介をうけることができ、就業先でトラブルがあっても派遣会社がけっこう対応してくれます。
ボラバイト初心者であれば、リゾートバイトから申し込むのが無難です。